Jul 16, 2014

逐次通訳の基礎

報告者: 鈴木いづみ (By Izumi Suzuki)

JATSIGの一つであるJATINT(通訳グループ)の委員になった関係で、IJET-252日目の午後に行われた武田珂代子先生の「逐次通訳の基礎」と題する講義の司会役を務めさせて頂きました。武田先生とお会いしたのはMonterey Institute of International Studies で教授をしていらっしゃる時でしたが、今は立教大学大学院で異文化コミュニケーション研究科・異文化コミュニケーション学部の教授でいらっしゃいます。
講義の内容ですが、まず通訳の歴史について簡単な説明をなさった後、通訳の形態と訓練について、ご自分のたたき込まれたものがヨーロッパ式のものであること、長い逐次と短い逐次の善し悪しについて、そして訓練の方法などの理論を話されました。その他、通訳の基盤となる考え方、目標とするもの、倫理の大切さ、通訳のプロセスに於けるEffort  Model(ダニエル・ギール)を説明され、その後実際のワークショップを行いました。
ワークショップのセッションはまずactive listeningから。ただ聞き流すのではなく、聴きながらどのような構成になっているのか、主題(幹)は何か、詳細情報(枝葉)は何かということを考えながら集中して聴き、先生が用意された短いスピーチをメモ取りすることなくどのくらい再現できるか、やってみました。その次に二人のボランティアの方にスピーチをして頂き、それをactive  listening した後訳出しました。感心したのは出席者の皆さんが優秀でその場でのスピーチもまとまっているし、訳出も非常に良く出来ていたことです。
その後メモ取りのコツ、Public speaking の大切さ、自主的勉強の必要性などの話があり、録音を聴きながら実際にメモ取りをし、逐次の練習を行いました。これも通訳者志望、という方がかなり良い訳をされていて、聴き取りで少々難はあったものの、その方の翻訳の経験の深さを感じました。
全体として、最初に理論を説明し、訓練のどういう所が大切かと言うことを説明された上で実地訓練を行ったため、受講者も非常に納得の行く良い構成になっていたと思います。大変有意義な時間を過ごさせて頂いた価値あるセッションでした。





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